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【考察】メロディの不安定さがクセになる!「きゅうくらりん」/いよわ feat 可不

ボーカロイド

こんにちは!citursです。

今回は私がYouTubeをいつものように漁っていた時に、たまたまおすすめに出てきた曲を紹介したいと思います。

それが「きゅうくらりん」です!

今回のタイトルに「メロディの不安定さがクセになる!」と書きましたが、もう曲の題名からしてそんな雰囲気が漂っていますね。

そしてこれを歌っているのは「可不」という音声創作ソフトウェアですね。

あまり聞きなれない方もいると思うので、そちらも紹介していきましょう!

それではどうぞ!

「きゅうくらりん」とはどんな曲?

この曲は、いよわさんの作詞作曲で2021年8月29日にYouTubeチャンネルとニコニコ動画に投稿したもので、Youtubeの方は僅か二週間足らずで50万回再生されています。

チャンネル登録者数が現在(2021年9月10日)4.9万人なので、もうとんでもないスピードで伸びてますね!

特徴としては、やっぱりメロディと可不の歌声の不安定さですかね。

最初のイントロを初めて聴いた時、思わず「うっ」って声が出ましたもんw

あとはやっぱりボーカロイド系のMVで最近増えてきた、意味深な描写をして聴いた人に考察させるというのもこの曲に当てはまりますね。

あとで私なりの考察(という名の妄想)もしたいと思います!

曲はこちらから→https://youtu.be/2b1IexhKPz4

ココが好き!

・クセになる不安定さ!

citrusさっきからこれしか言わないじゃん、と思っている方いますね?はいその通りです。でも、本当にこれがすごいんですよ!

ピアノの音がまるで坂道を転げ落ちて行くような感じがして、不安定さと同時に謎の疾走感もありますね。

MVに登場する女の子がどのように感情が移ろっているのかが、歌詞と共に伝わってきます。

この曲はMVと合わせて完全な作品になるんだなと感じました!

この曲の考察

では、私なりの曲の考察をやっていきたいと思います!

まずは最初の描写ですね。目覚まし時計を止めたあと、女の子の立ち絵が7枚連続で登場し、それを何度か繰り返します。

ここで不自然なのが、立ち絵が7枚しかないんですよね。この曲のテンポに合わせるだけだったら、8枚出した方がリズム的にも良いと思うので、ここは恐らく意味があると思います。

私が思ったのは、このシーンの直前に目覚まし時計を止めていることから、7枚の立ち絵は一週間を表しているということです。そしてそれが繰り返されているということは、同じ一週間をずっと過ごしている、変わり映えのしない日常を過ごしているという意味ではと考えました!

では1番に入ります。

うるさく鳴った 文字盤を見ていた

きっときっと鏡越し 8時過ぎの匂い

この「文字盤」は多分時計だと思います。直前にも「うるさく鳴った」とあるので、ここが指しているのは「目覚まし時計」でしょう。

そのあとの文ではおそらく、「MVの女の子が鏡を見ると、映っていた風景は多分8時を過ぎた頃だろう」という意味だと思います。

MVの女の子の立ち絵がほとんど焦っているように見えるのを考えると、女の子は寝坊したんですねw

それでは次の歌詞を見てみましょう。

しらけた顔 変わってなくてよかった 

ピンクの植木鉢の ぐちょぐちょした心のそばに

大きく育ったもの 結ばれたつぼみが こんなにも 愚かしい

この「しらけた顔」はおそらく女の子の顔でしょう。何度目覚めても顔が変わっていなくてよかったと言っていますね。

MVでは女の子が何か切なそうに正面を見ています。「結ばれたつぼみ」というフレーズや女の子の表情から、誰かに思いを寄せていると思われます。しかもそれが愚かしいと言っていますね。自虐的になっているのでしょうか?

さて一番のサビです。

ああ 化石になっちまうよ ああ 取り繕っていたいな 

ちゃんと笑えなきゃね 大した取り柄も無いから

女の子の表情や歌詞を見ると、恋をしているのはほぼ確定でしょう。

相手の前では化石のように固まってしまうけど、笑顔以外に取り柄はないからちゃんと笑って取り繕いたいな、といった感じでしょうか。ここは文字通りに解釈できると思います。

MVで女の子の顔が何枚も重ねられていることから、上に書いたような状態が毎日続いているのだと考えられます。

では次。

空っぽが埋まらないこと 全部ばれてたらどうしよう 

ああ あなたの右どなり わたしきゅうくらりん

女の子は相手に恋をしているはずなのに、どこか空虚な気持ちになってしまう。でもそれが相手にバレてしまったら大変なので、こんな心配をしているんですね。「きゅうくらりん」っていうのはどこか緊張している様子を表しているんでしょうか。

さっきまでは、女の子は完全に相手のことを思っていたと読めたのですが、この辺りで少し雲行きが怪しくなっていますね。

ここで一番が終わり、間奏に入ります。何度も目覚まし時計を止めている描写がされていますね。

ただ、ここで注目したいところは、目覚まし時計は7回登場しているのですが、最後の一回は止められていないんですね。この理由は次で分かります。

それでは二番どうぞ。

例えば 今夜眠って 目覚めたときに 

起きる理由が ひとつも見つからない 

朝が来たら わたしは どうする?

ここで女の子はベッドで寝ています。だから先程の目覚まし時計は止められていなかったんですね。

この歌詞を読むと、さっきの空虚な気持ちがどんどん大きくなってしまい、起きても目的が見つからないという女の子の状況が語られていますね。

歌詞から、女の子は今まで恋をしていた相手にかなり依存していたのかと考えられます。女の子の見た目から大体高校生くらいだと思うので、普通であれば起きる理由は一つくらいはあると思うんですよ。ただ、相手に依存していたため、もうそれ以外が見えなくなっていますね。

あと、MVで少しづつ女の子とベッドが明るくなっているのが分かりますか?多分これ、日が昇ってきて照らされていることを表していると思います。細かいですね!

では続きを。

うるさく鳴いた 文字盤を見てた

一歩一歩あとずさり 「また明日ね」とぽつり

喜びより 安堵が先に来ちゃった

一行目は大丈夫だと思います。問題はその後です。後ずさって「また明日ね」と言って、相手と別れた後に安堵していますね。相手について何かを恐れているのでしょうか。

続きです。

思い出 西日越し 

うつる こまかなヒビが こんなにも恐ろしい

女の子もだんだんと相手との関係が崩れているのを理解していますね。そして思い出が崩れてしまうことを女の子は怖がっているのが分かります。

西日越しっていうことは相手が夕日に背を向けた状態で話しているのでしょうか。ここは特に情景が浮かびますね!

さあ、二番のサビです!

ああ あなたが知ってしまう ああ 取り繕っていたいな 

ちゃんと笑えなきゃね 大切が壊れちゃうから

女の子の精神状態が一番のサビのところに比べて不安定になっているのが分かります。

前は「化石になってしまう」ほどに好きだったのに、今は「あなたが知ってしまう」、とかなり相手のことを怖がっていますね。

それでも笑顔は取り繕います。女の子は相手に依存しているので、それしか方法がないんです。思い出を壊さないためには取り繕うしかない、というふうに読み取りました。

次はだんだんと聴いている方が苦しくなってくるような歌詞です。

幸せな明日を願うけど 底なしの孤独をどうしよう

もううめき声しかでない わたし ぎゅうぐらりん

もう大変です。かなり参ってしまっているのが分かります。

どうにかなって欲しいけど、どうにかなる気配が全くしない。「もううめき声しかでない」といった感じでしょうか。一番では「きゅうくらりん」と比較的優しめだったのが、「ぎゅうぐらりん」となってしまいました。

あと、MVでの女の子が一番のサビに比べて暗いんですよね。さらに、頬を手で覆うまでは一番でもありましたが、目を覆ってしまうのは二番だけです。ここからも精神がやられてしまっているのが分かりますね。

二番の後の間奏ですが、MVでは女の子やベッドを描写している線が歪んでいってます。現実が直視できなくなっていることを表現しているのでしょうか。ピアノも不安定すぎて、聴いているこちらも不安になってきてしまいますね。

それでは間奏が明けた後の歌詞。

ああ 虹がかかってる空 きれいと思いたくて

焦がれては逃げれないこと みんなにはくだらないこと 

もうどうしようもないの わたし きゅうくらりん

相手に恋焦がれている女の子は精神的に逃げられないが、助けを求めようとしても皆にはどうでも良いことであるということだと思います。

そして、孤独になってしまってどうしようもない。「きゅうくらりん」と。

頼っていられる人が全くいないんですね。だから相手に依存してしまって、負のループが生まれてしまう訳です。

そして一瞬、完全に目に光が消えた女の子の横顔が映ります。とことん女の子の精神状態を描写していきますね。

次です。

そばにたぐりよせた末路 枯れ落ちた つぼみが

こんなにも 汚らわしくて いじらしい

一番では「結ばれたつぼみ」が「愚かしい」だったのが、ここでは「枯れ落ちたつぼみ」が「いじらしい」になっています。

女の子も自分がこのままじゃどうなってしまうのか、薄々想像がついていると思われます。もう相手への思いは無いはずなのに、いじらしいと思ってしまっている。もう矛盾だらけです。

ではラスサビ!

ああ 呪いになっちまうよ ああ 「あきらめた」って言わなくちゃ

頭の中で ノイズが鳴りやまないから

相手に依存していることを「呪い」と言っていますね。どこかでケジメをつけないと、相手への依存から抜け出せないことも女の子自身でわかっていることが分かります。

ここでMVが今までと上下が反対になります。明確な意味は分かりませんが、女の子が現実と妄想の区別をつけづらくなっていると私は受け取りました。

それでは次の歌詞。

空っぽが埋まらないこと 全部ばれてたらどうしよう 

ああ あの子の言うとおり 終わりなんだ

この「あの子」がどうしてもわからないんですよね。完全に妄想の中でいうのなら、女の子をよく知っている友人といった所でしょうか。「あの子」は女の子に以前に忠告をしていたらしいですね。ですが時すでに遅し。もう女の子は孤独でボロボロになっていると。

もうラストスパートです!

ああ 幸せになっちまうよ ああ 失うのがつらいな

全部ムダになったら 愛した罰を受けるから

ここ、聴いてて辛いんですよね……。MVと合わさるともう女の子の心情がダイレクトに来ちゃってやばいです。男の子と女の子が抱きしめあっていて、女の子の表情が安心しているように見えるんですよね。この男の子が今まで出てきていた「相手」ですね。

そしてやっぱり女の子は男の子を失うことが怖いようです。女の子にとって唯一の精神の柱なので、今男の子と関係を切ってしまうと、待っているのは完全な孤独つまり「愛した罰」ですね。

最後です!

ひどく優しいあなたの 胸で泣けたならどうしよう

最後見たのはそんな夢 わたし ちゅうぶらりん

いや夢オチかい!と思ってしまいましたが、夢であるのはおそらくMVで男の子が出てきてからでしょう。というのも、ここでは男の子と女の子が両方暗くなるんですよね。これはその暗示なのかなと。

そして「ちゅうぶらりん」とあります。こういう系統の曲の「ちゅうぶらりん」は大体首吊りで解釈できることが多いのですが、今回は歌詞が終わった後、MVで目覚まし時計が止められる描写があるんですよね。死んでしまってはこの描写はできないと思います。

一つ目の解釈としては、男の子との関係を切ることもできず、かといって空虚な心をいまだに埋められない、中途半端な状態でいまだに日々を過ごしているというもの。ただ、これだと「最後に見たのはそんな夢」ってところに引っかかってしまいます。いや最後じゃないじゃん、と。

もう一つの解釈は、首吊りで死んでしまったけど時間が戻ってまた最初からループする、というもの。最初と最後が両方目覚まし時計を止める描写なので、一応説としては通ると思います。ファンタジー感がすごいですが、先程の矛盾は消えますね。ループの中では最後、ということです。

ということで「きゅうくらりん」の考察、どうだったでしょうか?

ぜひみなさんの考察も聞きたいのでコメントしてください!

 

可不とは?

さて、考察が終わったところでそろそろこの「可不」について触れたいと思います。

可不はバーチャルシンガー「花譜」を元にして作られた音声創作ソフトウェアです。

音声ソフトで有名なものと言えば、やはり「初音ミク」でしょう。近年は「マジカルミライ」というライブを毎年開催して、いつも大成功していますね。

そして「花譜」とは、2018年10月からYouTubeで活動を始め、2021年9月10日現在チャンネル登録者数は56.4万人を超えるKAMITSUBAKI STUDIO所属のバーチャルシンガーです。

その花譜を「CeVIO AI」なるもので高精度に再現し、誰でも簡単に歌声が作れるようにしたのがこの可不ということです。

「きゅうくらりん」を聴いていて思ったことは、本当に歌声が人間に近い!ということ。さらに繊細なアクセントや音程の取り方ができていて、これ本当にソフトなのか?と思いました。

興味がある方はこちらから購入等を検討してみては?

花譜さんの紹介HPはこちら。チャンネルはこちら

 

まとめ

さて、今回紹介した「きゅうくらりん」ですが、いかがでしたでしょうか?

最初はこの独特なメロディに慣れない方もいるかと思いますが、一度この面白さが分かったらもう抜け出せません!

聴いてみた感想等コメントによろしくお願いします!

では!

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